BEFORE
AFTER
治療情報
- 症状
- 他院にて約1年前に根管治療を受けた。
治療が始まってから違和感や歯が浮いたような感覚があり、歯を叩くと響くような感じがした。
治療は完了したと聞いたが、その後も咬合時の違和感が消えず不安なので詳しく調べてほしい。
そちらの歯科医院ではCTを撮影し、マイクロスコープを使用、ラバーダムも使用して治療をした。治療費は保険適用の範囲内だった。 - 治療方法
- 再根管治療
すでに治療が行わた部位の状態を確認し、必要に応じて処置を行います。 - 費用
- CT撮影 税込¥10780
根管治療 税込¥133100
e-maxクラウン 税込¥97900
※価格は予告なく変更される可能性があります。 - 備考
- 今回はMTAセメントにて充填作業を行いましたが、MTAセメントを根管内に充填する方法はまだ日本の薬事法で認可されていません。
事前に説明をさせていただき、承諾を得た場合に治療を行います。
患者様情報
- 年代
- 20代
- 性別
- 男性
治療方法
初診の状態です。
画像上から2番目の歯が今回の歯になります。
画像上から2番目の歯が今回の歯になります。
ラバーダムを設置します。
コンポジットレジンにて修復されていますが、強くすり減っており形態が悪くなっています。
コンポジットレジンにて修復されていますが、強くすり減っており形態が悪くなっています。
特殊な光を当てることで「歯」と「詰め物」を見分けることができます。
誤って無駄に歯を削ることの無いよう注意して治療を行います。
誤って無駄に歯を削ることの無いよう注意して治療を行います。
コンポジットレジンを深く削った先に、天然の歯の部分が見えてきました。
慎重に作業を進め、根管口(根の入口)を探ります。
根管口(根の入口)の明示ができました。
過去の治療で行われている根管充填では不備があることがわかります。
きちんと充填されている所と、充填がされず空洞になっている所があります。
過去の治療で行われている根管充填では不備があることがわかります。
きちんと充填されている所と、充填がされず空洞になっている所があります。
以前の根管充填作業が完全でないことはCT画像でも事前に確認できます。
黒い線になっている所は空洞、白い線になっている所は充填がされています。
少し分かりにくいですが、不十分であることがわかるでしょうか?
黒い線になっている所は空洞、白い線になっている所は充填がされています。
少し分かりにくいですが、不十分であることがわかるでしょうか?
まずは流水&超音波装置で簡単な洗浄を行います。
このように残っている過去の治療の残骸を除去し、その先にある汚れをさらに洗浄します。
この作業が再根管治療のメインと言えます。
この作業が再根管治療のメインと言えます。
先の太さが約0.5㎜の「耳かき」のような装置で汚れを掻き出します。
こちらはマイクロエキスカベータと呼ばれる器具です。
こちらはマイクロエキスカベータと呼ばれる器具です。
時間を掛け、汚れが取れました。
今回の根は樋状根(C字根)と呼ばれる形をしています。
画像をよく見ていただくと根管の左の方に赤い点が見えます。これが根尖口(根の尖端の出口)になります。
マイクロスコープならではの視野です。
今回の根は樋状根(C字根)と呼ばれる形をしています。
画像をよく見ていただくと根管の左の方に赤い点が見えます。これが根尖口(根の尖端の出口)になります。
マイクロスコープならではの視野です。
実際はただのC字の形をしているだけではなく、三次元的に非常に難しい形をしていますのでここまで洗浄を行うには写真では伝わりにくい苦労があります。
そいう複雑さがある為に、従来の根管治療のみでは洗浄が困難で、トラブル(根尖性歯周炎・根尖病変の状態)が発生する可能性が高くなります。
たとえCT・マイクロスコープ・ラバーダムを使用したとしても最後は技術(というか歯科医師の諦めない心)が必要です。この方は実際それらを使われても根管治療が不完全でした。
そいう複雑さがある為に、従来の根管治療のみでは洗浄が困難で、トラブル(根尖性歯周炎・根尖病変の状態)が発生する可能性が高くなります。
たとえCT・マイクロスコープ・ラバーダムを使用したとしても最後は技術(というか歯科医師の諦めない心)が必要です。この方は実際それらを使われても根管治療が不完全でした。
今回の充填はガッタパーチャポイントでの作業が不向きなように感じられたためMTAセメントにて充填作業を行いました。
ファイルホルダーを使い、MTAセメントを丁寧に流し込みます。
ファイルホルダーを使い、MTAセメントを丁寧に流し込みます。
少しでも気を抜くと気泡が入り失敗します。
慎重な作業が必要です。
画像ではペーパーポイントを使いMTAセメントの硬度を調整しています。
慎重な作業が必要です。
画像ではペーパーポイントを使いMTAセメントの硬度を調整しています。
充填が完了しました。X線写真でも気泡がないことを確認します。
この後硬化を待って、ファイバーコアを充填します。
この後硬化を待って、ファイバーコアを充填します。
ファイバーコアの充填が終わり、後日クラウンがセットできる状態になりました。
黒く見える3つの点はファイバーコアになります。
黒く見える3つの点はファイバーコアになります。
クラウンの適合を確認します。
マージンラインが滑らかで、適合が良いことが確認できます。
マージンラインが滑らかで、適合が良いことが確認できます。
唾液が混入しない様にラバーダム下で接着作業を行います。
この度はコンポジットレジンにてe-maxの接着作業を行いました。
手順が複雑ですが、長期間トラブルの起きにくい接着方法になります。
この度はコンポジットレジンにてe-maxの接着作業を行いました。
手順が複雑ですが、長期間トラブルの起きにくい接着方法になります。
適合が良いことを確認します。
※コンポジットレジンの色をもっと暗い色にしてもよかったのかなと思いますが…
これが気になる人はいないでしょう。
※コンポジットレジンの色をもっと暗い色にしてもよかったのかなと思いますが…
これが気になる人はいないでしょう。
余剰なコンポジットレジンを除去し、e-maxの装着が出来ました。
これですべての治療は完了です。
1回目の治療から違和感が少なくなり、治療が完了する頃には全く違和感がなくなっていました。
現在約1年経過しましたが問題ないとのことです。
初診時のまま放置していた場合もしかすると数年後抜歯になっていたかもしれない状態の歯が、無事に回復し使えるようになったことを非常にうれしく思います。
費用もインプラントに比べ安く済みました。
長時間にわたる治療にお付き合い頂いた患者様に感謝致します。
これですべての治療は完了です。
1回目の治療から違和感が少なくなり、治療が完了する頃には全く違和感がなくなっていました。
現在約1年経過しましたが問題ないとのことです。
初診時のまま放置していた場合もしかすると数年後抜歯になっていたかもしれない状態の歯が、無事に回復し使えるようになったことを非常にうれしく思います。
費用もインプラントに比べ安く済みました。
長時間にわたる治療にお付き合い頂いた患者様に感謝致します。