歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例

BEFORE

歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例BEFORE

AFTER

歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例BEFORE

治療情報

症状
膿が出ている
歯茎にできもののようなものがあり、症状が起きたり治まったりする

他院で診てもらっていたが一向に治る気配がなく不安なので一度診てほしい
治療方法
精密根管治療を行ったのち、セラミッククラウンを装着しました
費用
精密根管治療      ¥176000
テンポラリークラウン  ¥8000
ファイバーコア     ¥20000
セラミッククラウン   ¥140000
根管治療1回につき    ¥7000×2回

患者様情報

年代
60代
性別
男性

治療方法

歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法01
一見すると少し茶色くなっているだけのように見えますが…
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法02
詰め物のフチがあまく隙間があったり
歯が割れていたり
隙間の奥に黒い影が透けて見えます

歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法03
詰め物を外した状態です

内部にウ蝕の広がりが確認できます
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法04
ウ蝕検知液にて染め出しを行います

かなりひどい状態です。
以前の保険治療が不十分だったことが考えられます。
①う蝕の取り残し
②不適合&接着不良が疑われる修復物
③切削時の設計、壊れにくくするための削り方がされていない
などなどどれもよく見かけますが、一般的にはこれが「普通の虫歯治療」って感じじゃないでしょうか…

職人的な仕事をされている方ならきっとご理解いただけると思うのですが、安かろう悪かろうの施工はその時は大丈夫でも長期間経つと大変なことが起こりやすくなります。
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法05
ウ蝕を除去していくと歯にヒビのようなものがみられます

破折線(クラック)です
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法06
クラックに沿って細菌侵入があったことが疑われます。
クラックを追従し削っていくと、すでに壊死し溶けてしまった歯髄の残骸が確認できました

この状態は神経を残すか残さないかの議論の余地はなく、「すでに神経が完全に腐ってなくなってしまっている状態」です
ですので根管治療は必須の状態です
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法07
破折部をコンポジットレジンにて修復し、根管治療を行っています

破折部はマイクロスコープで確認しないと高確率で見逃してしまいます
破折部の修復ができないと常に細菌の侵入を許してしまうので何度根管治療を行っても治りません

こういったことが「1年ぐらいずっと治療してるけど治らない」なんてことにつながります。正しく根管治療を行えば2~3回で治療が終わることが殆どです。
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法08
根管内を拡大、洗浄していきます
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法09
今回は排膿が非常に多かったので何度か洗浄を行いました
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法10
緊密に根管充填を行っていきます
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法11
クラウンの土台となるコアを立てた後、形成を行っていきます


その後、クラウンの印象(型取り)をします
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法12
後日クラウンが出来上がってきたので再度ラバーダムを装着し、クラウンを接着します
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法13
非常に適合が良いのでクラウンと歯の境目に段差や隙間が全くありません

こうすることでプラークが溜まりづらく、
クラウンの二次カリエスを防ぎます

歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法14
before

骨欠損が大きく、黒く透過してしまっているのが分かります
膿の袋が大きくなっている証拠です
歯にヒビが入って歯髄壊死を起こした症例治療方法15
after

治療完了後約10ヵ月経過した時点で、歯槽骨が完全に回復していることが分かります。